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産業革命 [経済考]





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 産業革命がイギリスから派生し、世界中に広まったのは18世紀半ばから19世紀にかけてだった。考えてみてもそれほど遠い昔でもない。

文献によれば、貿易がさかんになってイギリスではインド綿布の需要がおおきくなったが、需要に追いつける生産方式がなかった。
また繊維産業ではすでに存在していた毛織物団体からの圧力でインド綿布の輸入が禁止された。

綿布の輸入禁止措置に対抗して原綿を輸入して国内で綿布に加工することになると大量生産のニーズがでてきた。
自動織機や紡績機のはしりといえるような発明もあり機械化がすすんだ。
機械化することで均一大量の生産が可能となり、安価な製品をつくることができるということが広く認識されると、工場の建設、工場の経営など産業資本家が社会・経済・政治の主導権を握るようになる。

また、石炭エネルギーを使う動力機関(蒸気機関)により、ますます機械化に拍車がかかったことは、まさに産業革命の名にふさわしいものとなった。

これらは表の部分ですが、陰の部分では、多くの職業がなくなったのは容易に想像できます。


 話はとびますが、近年になって出現したコンピュータという技術によっても大きな改革がもたらされたといえるでしょう。
コンピュータは人間の頭脳に例えられてきたが、人間の頭脳が不得手とする部分を逆に得手としていた。
単純な計算の繰り返し、曖昧でない判断、自動化など、この技術が産業に取り込まれるとともに、ワークフローが激変し多くの職業が衰退したか、消えていった。

写植オペレータや和文タイプオペレータなどの専門職はどうなったんだろうか。
専門職を育成するのも、それに乗るのもよかったが、いまや突然そのスキルが不要になる時代がこないとも限らない。そのときはまるで無能の不要品のように扱われる怖い時代だ。
よくよく考えないと結局自己責任という冷たい言葉だけしか返ってこない。


 さらに現在はコンピュータ+グローバルとなった。
日本は長らく日本流の経営とそれに応える勤勉な労働者によって企業が成長、存続してきた。世界の経済成長期にはこの方式はよかったのかも知れない。
世界の経済の伸長がのぞめなくなると改革が必要だと唱える人々が出現しても不思議ではない。

コンピュータの導入で小さい専門職が曖昧なうちにうまく繋がっていた競争のない世界が瓦解してしまったように、グローバルはそれを許さない。
強いものだけが生きる意味があるという過激な世界だ。
これが現代の精神面の産業革命と言えないだろうか。

日本国や国内企業の多くは、これに追従していく姿勢を示しているが、全体像も到達点も見えない。
いままでぬるま湯に浸って「温泉っていいネ みなさん〜〜」という特殊な環境にあった人々には辛い試練への覚悟があるだろうか。

そんなことをずばり言い当てているサイトがあったのでご紹介します。

経済の死角 知ってましたか これが2020年のニッポンだ  わずか7年後、この国はこんなに変わる あなたの会社は消えているかもしれない「生き残る会社」と「なくなる会社」教えます


会社名は当該サイトから各人で見ていただきたいと思いますが、「なくなる仕事」というのも凄いことが書いてある。

2020年「なくなる仕事」
電車の運転手
レジ係
通訳、速記・ワープロ入力
プログラマー
新聞配達員
専業主婦
日本人の取締役
中間管理職
受付・案内業務
生保レディ
などなど30種ほどリストされています。

本当に?つい納得してしまう説得力ですが、これは日本的なよさを日本人として感じることができるレジ係、ガソリンスタンド、受付嬢、秘書、コールセンター、生保レディ、教員、交番の警察官など連綿と造り上げてきた日本の文化が無くなってしまうんだね。
経済っていうのは誰のためかね。

このサイトでは最後に次のように結んでいる。

「グローバル化の中での製造業は、執行役員は日本人でもいいが、取締役を引退間際の体力の衰えた日本人ばかりが占める体制では危うくなる。情報戦争に勝つためにも、取締役の外国人比率を高める方向に進むだろう。海外に移転した家電工場でも、オペレーションは現地の人が行うのが一番スムーズ。ゆくゆく日本人の工場長などは存在しなくなるだろう」

攻めへの転換を図ることが絶対条件だということになるのだろう。



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