無錫 清名橋 (Qingming Bridge) 

 無錫周辺の古い街並みは、ここ清名橋でも同じような景観だ。

異なるのは、ほかの街並みはお土産ショップが古い民家内で営業しているのに対して、この清名橋周辺の古鎮では、住民が実際に生活していると伺える。

 

ここの住宅は、長屋形式の古い建物で、一つの特徴としてトイレが無いとのこと。

トイレは「おまる」で済ませるということ。

そのあとは、川に流していたことは想像に難く無い。

水道はどうなっているのか聞き忘れた。

 

ガスはなくて、練炭(れんたん)を使用する。

練炭って、ご存知無い方も多いかも。

石炭を砕いたものを筒状に固めたもので、熱効率を考えて何箇所か穴が空いている。

 

おいらが幼少の時代には、これを朝、練炭コンロに入れて着火させる。これを約1日分の煮炊きに使用する。

冬場は掘りごたつの熱源にも使用する。

 

練炭を着火させるには、練炭コンロに新聞紙を丸めて入れ、その上に細く割った薪をそっと乗せて、新聞紙にマッチで点火して薪に安定して火が移ったのを見計らって、練炭を入れて練炭に火が移るまで、コンロの下の空気穴に向けてうちわで空気を送り込む。(練炭をコンロに入れる時、斜めに入れてコンロの途中で留置き、コンロの下までドスンと落とし込むと、薪の火が消えてしまうことを防止する。このアナログ的手加減が絶対的に必要な技術だったんだ)

 

その後、練炭火ばしで練炭をつかんで着火した側を上にして、再び練炭コンロに入れなおす。

 

練炭はその後、着火しやすい部分が付いたことで、その部分を上にして、新聞紙と薪を燃やすことで、容易に着火した革命的改良版ができたように記憶している。

 

余談だが、着火後の練炭コンロを表に持ち出して、焼き網を乗せてサンマを焼いた、そのサンマの味が忘れない。

どこの家庭でもやっていた。

 

ウィキペディアによると「練炭」は日本の発明品だということだ。

 

その練炭を、ここ清名橋の古鎮で見ることになるとは思ってもいなかった。

 

日本の標準的家庭の生活様式と比べて、遅れているんだろうか。豊かではないんだろうか。

不便な生活を強いられているんだろうか。

 

昔の生活を体験してきたおいらには、よくわからない。