このような潜在的問題回避のため、試作を何回も重ね、問題点を洗い出して生産時のトラブルを最小化する。
このワークフローにもPCが導入されると業務が激変した。
最初に導入したのが2D-CADだ。
設計の精度が向上しとスピードが早くなった。 設計者の自由な発想が盛り込みやすくなった。いままでドラフターでの製図作業が机上に置いたPCでの作業になったことでスペースが大幅に削減された。というように良いことばかりだ。
多くの人が経験することだが、目の老化や疲労などによって、ものがだんだん見えにくくなってくる。2D-CADは拡大、縮小が自由にできる。これが大いに助かった。多くの設計者が目の問題で現役を退いたのではないだろうか。
2D-CADは投影法という図面のルールに従って立体を平面に置き換えて作図していく。
発想としては立体があって、それを投影法にそって作図するので思考上の変換が必要となる。その逆、作図したものを見る場合もそのデータを立体にしてみないといけない。当時のPCの能力や導入時のコストなどの制限があって2D-CADしか選択肢はなかった。
その後しばらくして、このCAD Systemは3Dになった。
いま主流は3D-CADになって、ベンダーの競争も激化し、進化も加速してきている。
また、最近話題になっている 3Dプリンターなどの周辺関係も整備され、広く使われるようになってきた。
3D Systems 3Dプリンター(シルバー)CUBE CUBE-S
- 出版社/メーカー: 3D Systems
- メディア: エレクトロニクス
- 作者: 水野 操
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2013/05/28
- メディア: 大型本
しかし、何度も繰り返しになるが、ツールは進歩と共に便利になり設計者を助ける範囲は格段に拡大した。だが、これで良い仕事ができるとのとはイコールではない。日本の製品が世界で受け入れられるようになるには、プラスアルファが何かを見極める必要があるんじゃないだろうか。