しかし、かつてのテレビでやってきたようにアナログからデジタルに変わったときのハイビジョンが3Dや4Kなどとスペック重視だけでは熱心な愛好家を満足させることは難しいのではないか。
テレビは画像色調の再現力と同階調再現力、ダイナミックレンジが重要だろうが、それに言及するものは、あまり聞かない。
液晶パネルの技術的限界と放送規格もあるんだろうが、そこにフタしていてはしていてはダメだろう。
おいらが知っていることに限定して言うと、Sharp社が4原色パネル「クアトロンテクノロジー」対応テレビの発売以外には知らない。
そもそもハイレゾ・オーディオっていうのは、アナログのソースをデジタル化するときの基準。
CDのサンプリング周波数(44.1kHz)と量子化ビット(16ビット)をよりきめ細かくデジタル変換できるように基準を決めたものらしいが、ひとつの基準ではないらしい。
つまり人間の能力を考えなければ、際限なく高機能化できると思われる。考え過ぎかな。
これによって数値だけが一人歩きしないか心配が出てくる。
「もとはアナログの音声で記録するときのフォーマットがデジタルであり、最終出力はアナログなんだから」
これをどのように表現するのか。
むかしは<感性>の飛び切り優れた人間がスタンダードだった。
アコースティックの空気を振るわせ、包み込むような生々しい音はどうやると再現できるのかが、大きなテーマになるんだろうか。
これを卓越した能力を持つ、職人的な人材の耳が判断してきた。
いま、このような人材がいるんだろうか。というより、このような感覚だけの人材を信用して雇用するような企業があるんだろうか。
また、評論めいた希望を述べたときにこれを解釈してリファインできるエンジニアがいるのだろうか。
この記事にもあるが、同社は60年代のオーディオブームを牽引してきたメーカーで、当時は「サントリパイ」などの名称で山水電気、トリオ、パイオニアを「オーディオ御三家」としていた。
この歴史あるパイオニア社が経営再建の一環でカーナビなどの自動車関連事業に事業を集約させることから、赤字の続いていたAV事業から撤退、事業売却するというもの。
追加
<高級オーディオメーカーとして知られた山水電気が破産手続きを開始したと、帝国データバンクが報じた。7月9日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けたという。負債総額は約3億5000万円>
市場開拓して、新興国からの低価格商品の投入で採算割れして撤退するというパターンは、先の愛好家のこころを数値以外のこころに響く音で掴むことで真の差別化になるのだろうと思う。
デジタルは怖いよ。