行灯の光で赤が強調された河津桜



むかしの仲間とお酒を楽しむ 

 いつも突然なんです。電話が鳴った。おいらの携帯電話は家族からしか着信のないのに、電話のディスプレーに懐かしい名前が。

現役のころ彼とは仕事で関係が続いた。

そればかりか、釣りなどで腕を競ったり(もちろんおいらの負け)釣りで福島、新潟の渓流に入ったりした。

その彼もSNSだとかで忙しく動き回っているのを知っているので、まさかお誘いがあるなんて。

意外だったが飲みに行こうとのお誘いだった。

 

 

隠居してから、ずいぶん長い時間が流れ去った。

仕事をしている時は、社会との関わりが今現在のものと明らかに異なる。

緊張感、駆け引き、先を読む、人を見る、そして何より大事な創作活動などいい悪いは置いといても、強要されたり、自発的に行動したりしてきた。

それが、組織の中にあって貢献する手段だと信じてきた。

 

 

だから、電話してくれた彼との関係もそんなことかもしれない。

違うかもしれない。

 

往時の微妙な感覚は100パーセント思い出せない。

時間と環境はどんどん流れている。

それで、記憶の渦から消え去っていく。

 

彼と、職場でおいらと共に仕事していた二人が来てくれるという。

嬉しいね。忘れ去られるおいらを思い出してくれて、ありがとう。

 

 

約束の待ち合わせ場所に向かった。

移動途中の海浜幕張のホテルスプリングスにあった河津桜はもう咲いているだろうか。

そう思いながら、カメラを持参した。

桜は満開だった。

懐かしい二人に会えると思うと心が明るくなった。

 

お二人とも、どうもありがとうございました。