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日本に於いての日本人の理解と常識 [雑感]





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いまではあまり聞くこともなくなったが、かつて「日本人は、世界のどの国よりも手先が器用で勤勉、高学歴、日本語は情緒豊かな表現ができ、敬語や謙遜語などの相手を思いやることができる優れた言語」。と言われ続けてきた。日本国は明治の時代になって初めてと言っていい国際デビューを計画し実践した。偉人伝などで当時の人たちが如何に強く国を思い国民と共に血の出るような労苦に耐え一定の地位を築いた。(初心にもどるならこの時代の歴史書に触れるのもいいと思う。)



戦後の再デビューも産業の復興と共に日本への評価が高かったことは偶然とは言えないほどの先人の苦労があったことは十分とは言い難いがある程度は理解できる。

テレビでときどき見るサクセスストーリーもきれいな映像とともにあるので、先人たちの精神的な部分を含めた労苦は想像するしかないが、その想像を遙かに超えるものがあったのだろうか。



「日本人は、世界のどの国よりも手先が器用で勤勉、高学歴、日本語は情緒豊かな表現ができ、敬語や謙遜語などの相手を思いやることができる優れた言語」に話を戻すと、言われていた当時の真相は分からないが、いまやそのようなことは伝説化した。


国民の意識高揚の手段は他民族より優れている点を羅列し、他民族を敵対させるのが常套手段だった時期は確かにあったようだ。

よその国でもこのような手法をいまでも展開しているのだろうか。

まさかこのようなことで日本人の優位性をあげ連ねたとも思いたくないが、意味不明の内容では勘ぐりたくもなる。



手先の器用さは、一部を除いて、産業構造が変わったいま、必ずしも優位だとも思わないし、果たして何をもって器用さを図ったのか尺度もない。こうした内容は自他共に認めてはじめて存在が生じる。はたして手先の器用さを世界に向け日本人の優位性を打ち出し、通説化しただろうか。例を挙げると技能オリンピックで常勝しているとも限らないと聞く。

テレビなどで「神の手」というフレーズで各界で有名な方々を紹介している番組を見ることもあり、感心させられる。このテーマの流れとしては日本人の優位性を打ち出すように見えるが、これは日本人だからというより個人の類い希なる工夫と努力、失敗の繰り返しの結果だと推察される。これを見て日本人は優秀で、この俺もやる気があればすぐできると思ったら大きな勘違いだ。


この内容は内的に思い込みに過ぎなかったのではないか。



高学歴もそこから得られたものが論点であるべきで、進学率などというものとは違う。どうもこんな数値で満足してしまう傾向があるようだ。

日本における進学に必要なものと言えば特段に優れた記憶力と思いがちだが、記憶力が非常に優れているというよりは、記憶する努力(することが価値)の結果であると考える。

このような努力に対して価値観を感じない他国からすると奇異なものではないだろうか。


日本語のそれもよい点もあるとは思うが、逆説的には煩雑でわかりにくいし、自然をめでる機会も減少した現代にそのような表現が理解できる人がどれほどいるのか。

ときどき日本びいきの外国人がテレビできれいな日本語を話しているのと聞いたりするとびっくりしてしまうほどで、現実とそぐわなくなってきている。


なによりも違和感を持つのは、自分の考えを的確に言葉にできない、文章化できない人が多くなっていることだろう。

さらに、日本の美徳とされる謙遜はよくない。これによって自己満足に浸り。努力、向上心を失っていると思うが、どうだろうか。


記憶、詰め込みと、自分を表現することは馴染みにくいというのがこのような結果を招いているのではないだろうか。

優れたものを持っているから、すばらしいのではなくて、それを活用してすばらしいものを得るという当たり前の考え方が必要になる。


狭い範囲で皆が共有できることで連帯感と安心感を得る世界観は時流にそぐわない。

鎖国時代の思考が残っていることもあり得ないが、完全に開かれることもない。

これを強く意識した常識やそれに根ざした報道などは慎むべきではないだろうか。


 

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以前から言い続けられてきたことだが、海外から日本を正しく見つめることが誰にでも必要ではないか。

そして、見えてきたよい点はより良くする努力を怠らない。

よいことを伸ばすために人へのサポートを怠らない。よくない点は改革していく勇気を持つこと。

小さい島国が井の中の蛙にならないために。(小説:坂の上の雲だね)




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タグ:経済考
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